20種類の金槌(ハンマー)とその用途を解説(写真付き)

道具を知る

金槌(かなづち)は、人間が手にする道具の中でも代表的な存在であり、ほとんどの人が使ったことがあるか、少なくとも見たことがあるでしょう。

金槌とは、そもそもは金属製の槌(つち)という意味ですが、用途によってさまざまな種類があり、種類によって名前が違ったり、別の言い方や英語読みがあったりと、ごっちゃになっている人も少なくありません。

そこでこの記事では、槌や金槌(かなづち)の意味、金槌の種類やそれぞれの用途や特徴、英語読みや別称についても解説します。

これを機に金槌について正しく理解しておきましょう。

槌、金槌とは

槌とは、柄(え)、ハンドル=手で持つ部分と、それより重い先端部分、ヘッドから成ります。

持ちやすい柄の部分を持って先端部分を振り、対象物に打ち付けることで、てこの原理と慣性を利用し、より強い力を対象に加えることができます。

槌は、英語にするとHammer(ハンマー)です。事実上、金槌も英語にするとハンマーです。

槌(ハンマー)の歴史は古く、文字によって歴史が刻まれるはるか以前から存在しています。木の棒に石を結えつけた簡単な構造で、狩猟に用いたり、対象物を潰したり切断したり加工することを目的として使用されていました。

古代ローマ時代になると釘が発明され、ヘッドの片側に釘抜きの構造をつけたいわゆるネイルハンマーが使われるようになりました。

槌のヘッドは石や木が一般的でしたが、より威力と耐久力を高めるために金属製のものが登場します。これが日本で言うところの金槌です。

金槌の種類

金槌(ハンマー)は、歴史が古く長いだけに、その用途に応じて様々な種類が生み出されてきました。シンプルな構造だけにカスタマイズしやすく、国や地域によっても独自のハンマーがありますし、個人で作成して使いやすいように加工しているパターンも多く見られるます。

ここでは、代表的な金槌の種類に限定して、20種類の金槌(ハンマー)について、その用途や特徴を写真付きで解説していきます。

1_両口玄翁(げんのう) 

日本の金槌の代表格がこの玄翁です。ヘッドの片口は平面ですが、もう片方が凸曲面になっており、木殺しと言ってほぞを打ち込んだり、木面を傷付けずに最後に釘を打ち込む際に使用します。いかにも日本らしく、効率的かつ繊細な仕事が可能になります。

2_片口玄翁

玄翁の片口が細くとがっており、釘を深く打ち込む「釘締め」に使用できます。

片口ハンマー、先切金槌とも呼ばれます。

3_片手ハンマー(Ball Peen Hammer)

片方が平頭、片方が球状のヘッドを持つ片手ハンマー。英語ではBall Peen Hammer(ボールピンハンマー)、ポンドハンマーなどと呼ばれます。

金属加工になくてはならない道具で、平頭部は鉄工用のピン等の打ち込み、組み立て、脱着調整等に、丸頭の方は鉄板の変形やリベットの先端カシメ、目つぶしなどに使用します。

4_ネイルハンマー(Claw Hammer)

金槌と聞いてまず思い浮かべるのがこの形という人も多いでしょう。片側は釘打ち用の平頭で、もう片方が木から釘を抜き取れるよう2つのプロングが突き出た形状になっています。ヘッドの重心が打撃面にあるため釘打ちの動作が安定し、力が伝わりやすくなります。

日本では、古くは箱屋槌(はこやつち)、箱屋金槌(はこやかなづち)と呼ばれ、木箱の組み立てや分解に使割れたことに由来します。最近ではその用途からネイルハンマーや釘抜きハンマーと呼ぶのが一般的です。

英語ではClaw hammer(クローハンマー)と呼びます。clawとは爪のことです。ネイルハンマーのネイルには釘と爪の両方の意味があります。爪を剥がさないで済むよう、釘を頻繁に使う人はネイルハンマーを手に入れておくと良いでしょう。

5_ショックレスハンマー(Dead Blow Hammer)

打撃力を高め、衝撃や音を低く抑えることを目的に作られたその名もショックレスハンマー。無反動ハンマーとも呼ばれます。

ヘッドの表面は樹脂製。樹脂製ヘッドは衝撃吸収に優れ、対象素材への影響(変形や傷)も抑えられますが、鉄製に比べて威力の面で劣るのが難点。

しかしこのショックレスハンマーは、樹脂製ヘッドの弱点を補うため、構造に工夫がされています。

ヘッドの内部が空洞になっており、そこに小さな鋼球がたくさん入っています。打撃の際、内部の鋼球が一気に打撃面に移動することで威力を高めます。鋼球が衝撃を吸収してくれるため、柄の部分にはほとんど反動が伝わりません。

英語ではDead Blow Hammerと呼びます。

6_電工ハンマー(Electrician’s Hammer)

その名の通り電気工事士が電気工事の際に使用する特殊なハンマーです。電工レンチハンマーとも呼ばれます。

ヘッドの打撃面でステップル(ケーブルを固定するコの字型の金具)を叩いたり、通常の金槌としての使用に加え、柄の部分がソケット状になっており、逆さにしてナットを回すことができます。

7_フレーミングハンマー(Framing Hammer)

日本ではあまり一般的ではありませんが、フレーミングハンマーは釘を正確に打つための工夫が施されたハンマーです。

その多くは打撃面がワッフル状になっており、釘を打った際にヘッドが滑りにくい構造で、指を破壊しないよう安全面が考慮されています。

またヘッドの上端に釘を固定するマグネット付きのスロットがあり、釘を打つというよりは、釘が付いたハンマーを材に打ち付けることで、ミスをしやすい最初の打ち込みをスムーズに行うことができます。

8_大型ハンマー(Sledge Hammer)

大型ハンマーは、柄の長さが50~100cmに及び、両手持ちで動作を行うのが基本。家屋の解体や壁の破壊、コンクリートの粉砕に使われる他、杭打ちや、鉄道建設において犬釘を打ち込む際などに用います。

英語ではスレッジハンマーと呼びます。

9_石頭ハンマー(Lump Hammer)

スレッジハンマー同様パワーを重視した重い造りですが、石頭ハンマーは片手で扱います。ヘッドはどちらも打撃用で、非常にシンプルな形状をしています。小規模な破壊に向いています。

日本では石工用のハンマーとして知られていますが、使い回しが効くことから建設現場でも用いられます。

英語ではランプハンマー、クラブハンマーなどと呼ばれます。ランプハンマーとは、「小さくて硬い塊のハンマー」といった意味です。

石や木材に対してノミを打ちつける際にもこのハンマーが使われます。

10_ブロックハンマー(Brick Hammer)

レンガやブロックを加工する際に用いるハンマーです。英語ではBrick(ブリック=レンガの意味)ハンマーと呼びます。尖った方のヘッドでレンガを割ったり、岩から小片を砕いたりするのに使います。

レンガは思いのほか簡単に割れます。どう割るかは、こちらの動画で見ることができます。

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11_鋲ハンマー(Tack Hammer)

鋲ハンマー、タックハンマーは、鋲や小さな釘を打ち込む際に使用するのが一般的です。ヘッドが細いため、窪んだ場所に釘を打ち込む時にも重宝します。ヘッドの片面に磁石が付いていることが多く、小さな鋲や釘を最初に打ち込む際のサポートになります。

12_鍛冶ハンマー(Blacksmith Hammer)

熱した鉄をハンマーで鍛えて任意の形に変形させる、鍛治職人が用いるのがこのハンマーです。鉄を加工するのが本職ですから、多くの鍛治職人は鍛錬用のハンマーも自分にとってのベストな形状に加工しています。

「打つ」を意味するsmiteという言葉をルーツに、鍛治職人はファミリーネームとしてsmith(スミス)を名乗り始めたと言われています。

13_真鍮ハンマー(Brass Hammer)

ヘッドが真鍮でできている真鍮ハンマーは、軽くて取り回しが容易であることから、ハンマーを使い慣れていない人や、繊細な作業に向いています。

上品で凝ったデザインの物も少なくありません。

14_びしゃん(Bush Hammer)

びしゃんは、石材やコンクリートの表面を加工するときに使用します。ヘッドの片面が正方形で、表面にスパイク状の突起が並んでいます。表面を叩くことで石材を削ります。

名前の由来は英語名のブッシュから来ているとされています。

15_クロスピーンハンマー(Cross Peen Hammer)

クロスピーンハンマーは、ハンマーヘッドの片方が直線的で細くなっており、小さい釘やピンを挟んだ指を痛めることなく打ち付けることができ、また最後の打ち込みで材を傷つけリスクを減らします。

ウォリントンハンマーなど様々な種類が存在し、細かな作業を含む木工全般で使用されます。

他の槌でも言えることですが、用途を限定する必要はなく、自分に合った使い方を工夫していくことで、道具が真の意味で手に馴染むようになります。

16_チェイシングハンマー( Chasing Hammer)

ジュエラーがジュエリーの加工などに用いる非常に繊細なハンマーです。細かい作業を可能にするため、柄が下端にいくほど太くなっているのが一般的で、これによりバランスを保ちやすくなります。

17_ドライウォールハンマー(Drywall Hammer)

ドライウォール、つまり石膏ボードの施工用に開発された金槌で、打撃面はワッフル状、ヘッドの反対側は斧のような形状になっています。

石膏ボードを割ったり穴を開けたり、小さな溝を使って釘抜きとしても使えます。

見た目が麗しく個性的であるため、単純な釘打ちとして使っている人も少なくありません。

18_斧ハンマー(Hatchet Hammer)

ドライウォールハンマーに似た形状ですが、こちらは何らかの職業で使用するための金槌ではありません。斧とハンマーが一体となったもので、強いていうならサバイバルの役に立つでしょう。

19_ペグハンマー(Peg hammer)

キャンプでテントを張る際、ペグと呼ばれる部品を地面に打ち込みます。このペグ打ちに特化したのがペグハンマーと呼ばれるものです。

打撃面はペグを地面に打ち込む際に用い、ヘッドの反対側のフックをペグを地面から引き抜く際に用います。

携行に適したサイズ、軽量性に特徴があります。

20_点検ハンマー(Inspection Hammer)

点検ハンマーの用途は釘を打ちつけたり木や石を割ったり砕いたりするのではなく、叩いて音を出し、その音の鳴り方によって検査、確認を行うことにあります。

例えば車のホイールを止めるナットが緩んでいないかどうか、いちいちレンチを出して回してみるのは面倒です。そこで点検ハンマーでナットを叩いてみて、澄んだ高い音がすれば締まっている、鈍い音がすれば緩んでいると判断できます。

検査がやりやすいよう、通常の金槌に比べてヘッドは小さく軽く、ハンドルは長く設計されています。テストハンマーとも呼ばれます。

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